原価と価格と価値と利益のお話
2013/06/25
カテゴリー経営改善対策室
前回からだいぶ間があいてしまった上に、予告とは違う内容になってしまいましたが、実はお客様にこのお話をしたら喜ばれたもので、どうしてもお伝えしたくなってしまいました。
ということで、今回は小難しい数字のお勉強は一休みして「原価と価格と価値と利益のお話」です。
さて、さっそくですが、
会社の目的って何だと思いますか?
実は会社法という法律で明確に定義されているんです。
会社=営利を目的とする社団法人
そう、会社の目的は利益を出すことだと法律で決められてるんです。
利益っていうのはいわゆる儲けですから、仕入れた値段と売った値段の差額のことです。
商売の基本は「安く仕入れて高く売る」なんて言われますが、これは言い換えれば「利益を最大化する」ってことですよね。
こんなイメージになると思います。
(広い意味で原価と書きました。販管費などのすべての費用を含めて考えて頂いてもけっこうです。)
会社はこの図の「利益」の部分を最大化することが目的ということです。
では利益を最大化するにはどうしたらいいか?
原価を下げて、価格を上げる
極めてシンプルですが、これが真理です。
原価を下げる方法は少し考えれば色々と出てきます。
しかし価格を上げることについては、多くの社長さんがこう言います。
「これ以上値上げしたら売れない」
ではどうしたら価格を上げられるのか?
何となくはおわかりだと思いますが、価値という視点を一つ加えてみるとシンプルにわかります。
そもそも、なぜその値段でお客様は買うのか。
それは、お客様の考える価値よりも価格が安いからです。
価格とお客様の考える価値の差額がお客様の利益(=感動!)だからです。
お客様の考える価値よりも価格が高ければモノは売れません。
さて、価格を上げる方法ですが、もうおわかりだと思います。
お客様の考える価値を高める
では、どうやって価値を高めるのか。
ひとことで価値と言っても、その中身は色々あります。
提供するモノ・サービス自体の価値はもちろんのこと、例えば納期が早いとか、接客態度が良いとか、お店の雰囲気が良いとか、場所が近いとか・・・
自社のターゲットとなるお客様側の気持ちになって、どういうことに価値を見出すのかということを考えれば、価値を高める方法がわかるのではないでしょうか?
しかもこの「価値を高める」ということについては、お金を掛けないで出来ることもたくさんあります。前述の「接客態度がいい」なんてのは1円も掛かりません。(従業員の教育費が掛かる!っていう突っ込みはなしでお願いします)
さらにいえば、原価を下げるのには限界がありますが、価値を高めることには上限がありません!青天井です!
また、お客様が気付いていない価値について「うちのこの商品を買うと、こんなにいいことがあるよ!」というようにこちらから教えてあげることで、お客様の考える価値を高めるなんていう方法もあります。
このような視点をもって、
商品・サービスをブラッシュアップして自社とお客様双方の利益を最大化する!
という発想を大切にして頂ければ思います。
次回こそ予告通りに・・・財務諸表の活用法-その4「貸借対照表ってどこを見ればいいの?」