「銀行の信用格付け」とは
2013/04/25
カテゴリー銀行借入対策室
銀行はすべての貸付先企業を格付けしていることをご存知でしょうか?
銀行の信用格付けは決算書でほとんど決まってしまいますので、決算書を作成する際には細心の注意を払う必要があるのです。しかし、多くの会社が税金対策ばかりを考え、結果として格付を下げてしまうということがよくあります。税理士・会計事務所が決算書を作成する際にも、税金を安くすることが仕事であるかのような勘違いをし、節税を重視した決算書を作成することが多く、銀行の評価を下げてしまう会計処理をすることも多々あります。
決算書は、収益性、安全性、成長性、債務償還能力の四つの視点から評点されています。
収益性・・・・・・儲ける力です。黒字決算でないと銀行格付けはぐんと下がります。
安全性・・・・・・負債と自己資本の比率がもっとも重要な判断の指標です。
成長性・・・・・・売上の大きさや伸びなどから成長性が評価されます。
債務償還能力・・・借金を返済する能力が評価されます。
これらの総合点によって、銀行格付けは決まります。
銀行から借りやすい決算書にするための簡単な方法として、一般的なものがいくつかあります。例えば、役員借入金が多額にある場合、繰越欠損金の範囲内で債務免除を受ければ(=役員が債権を放棄すれば)、債務免除益として会社の利益になります。役員借入金という負債が利益という自己資本に変わりますので、免除額が繰越欠損金の範囲内であれば税金がかからずに自己資本比率が高まり、安全性の指標が改善されます。ほかにも色々な手法がありますが一部だけご紹介しました。
また、銀行からの評価を上げるためには、決算書を提出するだけでは不十分です。毎月の試算表や月次決算書を定期的に提出したり、業績の推移を含む経営計画書を決算書と併せて提出することが効果的です。さらに『中小企業の会計に関する基本要領』の適用に関するチェックリストも添付すると決算書の信頼性が増します。提供する情報量が多ければ多いほど、資金調達は有利になります。
以上のようなことを踏まえた決算書や経営計画書の作成、提出がされているでしょうか。
当事務所では、銀行の信用格付けを決算書の数値などから試算できるシートをご用意していますので、財務状況の改善を素早く提案することで借入れをしやすい決算書作成のお手伝いができます。また、当事務所の毎月の会計指導によるきめ細かいチェックを経て作成された月次決算書は、そのまま銀行に提出して喜ばれる、価値のある資料となります
銀行と上手に付き合うのも経営の大事な部分ですので、ぜひ見直していただけたらと思います。